
大麻と和綿~弓打ちを芭蕉に習う~
更新日:2019年11月12日
大麻糸を作り始める前、
自分で繊維がとれることもあって、
和綿を育てていました!
種類は真岡木綿。
栃木県は真岡(益子焼で有名な益子の近く)の在来種。

小ぶりだけど緑がかって、
極上の柔らかさと艶を生み出す和綿で、
江戸は大奥に納められたとか。

息子まだ小さい。
昔のネタですみません^^;

さて、
この真岡木綿。
綿花から種を取り出したままだと、
細かいゴミが絡みついていて、
そのまま紡いで着用するとチクチクします。
手で取ろうにも、
つまむと乾燥した葉が砕け、
更に絡まってとれません。
そこで、
昔の人はすごいですね!!!
「弓打ち」をして、
ごみは落として、
繊維はふわっふわ!!!
にするのです。
しかしここで問題。
ワタクシ、綿の扱いを習ったわけでもなく、
ほんの体験WSや本やネット先生から手探りで自己流。
(麻でそれはマジで大遠回りだから受講して下さいねッ★)
なによりも、
弓打ち道具は売っているけど、
やってみたところで正解がわからない。
そんな時は、
和歌や俳句。
とくに俳句は庶民的な描写を詠みこんでいることが多く、
資料として秀逸なのです。
というわけで、
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大和の国に行脚して、葛下の郡竹の内と伝処は彼ちりが旧里なれば、日ごろとどまりて足を休む。
わた弓や琵琶になぐさむ竹のおく
『野ざらし紀行』松尾芭蕉
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大和の国、葛下は、
今の奈良県北葛城郡。
竹の内は、當麻寺がある当麻(たいま)町。
旅の足を癒した先で聞いた、
綿の弓打ちの音が琵琶ようだったというのです。
(すごい意訳だけど)
「まるで琵琶の音色を聞いているように旅の疲れが癒される」
と詠んだのかもしれません。
じゃあ、
琵琶の音が綿の弓打ちで正解なら、
張り具合を合わせられるような。
※琵琶の音色聞いたことは…2回くらいしかないのだけど。。。
材料を買う予算はなく、
既製品買ってもちょこっとだけじゃあね…
壊れてバラしてあった竹笊を再利用することに。
竹が1本だけでも、
2本合わせただけでも音は鳴らない。
しっかりと紐で結び固めます。

弓弦部分は、
琵琶は絹なのか化繊なのか…全く分からないけど、
ここは大麻紐でやりたいところ!
単子で張りました。

さて、
パスタマシーンを綿繰り機替わりにして、
種を取り出し、、、
