
菌と共に生きよ
どうして過剰な消毒が平気で、
どうして自己治癒力が信じられなくて、
どうして感じられない事柄ばかりなんだろう?
その原因はなんでだろう?
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十数年前のこと、
自家製酵母でパンやいたり、
自家製漬物を熟成したり、
それでもまだ体感できなかったのが、
菌の力。
老舗の味噌蔵に、
大豆畑から味噌体験に参加したときのこと。
煮た大豆と塩切麹と合わせ、
大人数でわいわいと樽に詰めている時に、
当時の蔵の専務の言葉。
「ここでね、樽の上でくしゃみしても、汚い手で触っても大丈夫。」
「麹菌が食べちゃうから」
ええーーーー?!
そりゃ、
頭では理解できるけど…
なんていうか、
他人と作業しながら、
「汚いの…やだな」
と思ったのです。
自分の子どものならまだしも…
この時まだ、
心は菌との共生が、
菌と私との境目が厚かったのだ。
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味噌は冬寒に仕込んで、
春から初夏に切り返しをしますね。
麹菌に酸素をいきわたらせるように、
そこから混ぜます。
左:仕込んだ日→右:切り返し日
2011年度の切り返しは、
す、すんごい色とりどり!!!!
※左の画像で白いのは塩です。
大丈夫とわかっていても、
脳内ではナウシカの
「ランラン ランララ ランランラン♪」
ループしますよ。。。
樽がいくつもあったのですが、
カビの種類も量もまちまち。
同じ大豆、水、塩、麹菌なのに、
仕込んだ人と何かで違うのだ!!!
なぜ、
カビの量と種類が違うのか?
なぜ?
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あれからずーっと毎年味噌を漬けて。
「今年の菌の量はどうかな」
「今年の菌の種類はどうかな」
切り返し時の楽しみになっていました。

↑この年は白の年!

この年は青と黒が多い年!
蓋状のカビをめくって切り返します。
めくった下は、もちろん美味しい味噌。
ピンクカビ=悪者
(白カビ少しくらい食べちゃいます)
と、
思っていたけど、
「カビ取り除いて美味しいくなっている部分って、
ひょっとしてカビのおかげなんじゃない?!」
そして、
2015年からは、
うっすら白カビだけ。

そしてついに!!!
2017年度は、
カビがない!!!
タマリがよく出るようになり、
これを取り分けておき、
コクを出したい料理に使います。
煮ものや炒め物に最高。
2019年度は、
ぽちぽち出ました。
2018-2019年は、
友人家族さまに手伝ってもらって、
小さい子供たちの手の菌をいただく作戦に。
もはや、
自分たちの常在菌だけではなく、
他人様のもいただく。
手伝ったら味噌もらえると、
喜んできてくれました。
私としては、
喫煙者や合成洗剤使っている方が家にいらっしゃると、
当分調子悪いのだけど、
それでもお互い歩み寄るきっかけになればと願っています。
一緒に作ったものをいただいて、
お互いの都合や好みを聞きあう。
事故の理解を超えて思いやる。
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そして、
本年。
カビの気配ゼロ!!
樽の下にも際にも、
酸膜酵母全くなく。

※酒もってこーい!!の図